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上の話を書いていて思い出したが犬にかぶらせろのこの記事で、「コンテンツに金を払うかどうかという問題なんじゃないか」という意見が出ていて、俺も基本的には同感、なんだが、例示されているUインターとかRINGSはちょっとそこで出される例としては不適切だと思ったので、プロレス・格闘技に造詣の深いgotandaさん相手におこがましいのもいいところだがちょっと指摘。UインターもRINGSも基本的に地上波コンテンツじゃなく、観客が会場に足を運んでチケット代その他にお金を落とすことで成り立つコンテンツで(RINGSの場合はWOWOWのバックアップがあったから分けたほうがいいかもしれないが)、どちらも人気が安定していた時期はその形で成り立っていたわけだから、gotandaさんの言う「コンテンツに金を払わない文化が問題」というのにはあてはまらないんじゃないだろうか。というか、両者の前身である第二次UWF自体がプロレス界としては始めてのテレビ放映に頼らないスタイルを切り開いたわけで、むしろプロレス・格闘技コンテンツの世界には電波に頼らない現場文化が根付いているんじゃないかと思う。


ただ、大掛かりでダイナミックなイベントを指向すると、電波媒体のバックアップがあった方がいいのは確かで、PRIDEの全盛期にあれだけの人材が揃っていたのも豊富な資金力ゆえだったのは間違いないだろう。そう考えると、マス媒体ならではの資金力のパワーってのも捨てがたいし、それに比肩するだけの資金力を電波に頼らない興行モデルで生み出すのはいくら多くの人が現場に足を運ぶようになってもよほど気前のいいパトロンがいない限りそれだけでは難しいだろうから、何とも痛し痒しなのかなと。そう言えば最近読んでいる最中の宮沢章夫の本で日テレの土屋敏男氏が出てきて、第2日本テレビで配信している松本人志のコントは価格210円で2000万くらいの売り上げ(てことは約10万人が買っている計算になる)で、制作にかかった費用はその4倍くらいなんて話があった。


ところで、プロレス・格闘技のビジネスの変遷を具体的な主要団体総ざらいする形で描いた本とかないんでしょうか。gotandaさんが書いたら3冊は買うね。先に挙がった団体のみならずK-1とかNOAHとか闘龍門はもちろんWWEまであれば最高なんだけど。あとまあ他にも地上波に頼らないコンテンツっていっぱいあるから、その辺も色々知りたいところだなー。Jリーグもそうだし、宝塚歌劇団とか劇団四季とかフジロックなんかもそうか。