深夜の都心を徘徊する

ずっと消化しないで残していた代休を消化することになったので、よし、今夜は六本木で遊ぶぞ!とばかりに恵比寿に出て日比谷線に乗り換えようとしたら見事に日比谷線六本木方面最終が行った後という始末。タクシー捕まえようかなとも思ったが、広尾行きはまだ残っていたので、だったら広尾から一駅分くらい歩くか、どうせ昔広尾から六本木近くまで歩いて通勤していたんだし、久しぶりの某社近辺はどうなっているか見てみるか、ということで広尾まで日比谷線に乗って、六本木方面へてこてこと歩く。


確か広尾で働いてたのは99年から2000年にかけてだったので、もう8年近く前という計算になる。あれ、てことは当時まだ24歳とかか?おかしいな、まだそんなに若かったっけ。あの頃からあんまり成長した気がしないのは気のせいだろうか。まあそんなもんだよな、人生。てなことはおいといて、かなり久しぶりに歩く懐かしい道は、ところどころ記憶に残る建物もあったが、肝心の当時働いていた会社が入っていたマンションがどこだかわからずにかなり愕然とする。もしかしてあのマンションなくなったのかな。社長はもう会社たたんで老後を送っているのかもしれないな。困った人ではあったけど、小さいながらも社長の身でありながらどこか寂しそうな人で、当時も憎むことができない人だった。


そんなことを思いながら、当時はまだなかったナチュラルローソンを見つけてあんこ入りのクロワッサンみたいなのを買って、六本木へ。そしてやはり当時はまだなかった六本木ヒルズがそびえ立っていたので、中をふらふらと徘徊する。
  
夜中でもヒルズの中は明るくてきれい。さすがに平日の深夜1時前だけあって誰ともすれちがわなかったけど。誰もいないのにひたすら動き続けているエスカレーターを経由してとりあえず六本木交差点に近くなりそうな方へ進んでいたら東京タワーが見えたので思わず撮影。




東京タワーって昔から深夜でもライトアップしていたっけ?0時消灯とかじゃなかったっけ?と思いつつまた進んでいくと、今度はこんなところに猫発見。なんでこんなところに猫が。しばらく猫はここでじっとしていたが、この後正面から撮ろうとしたらトトトトと俺が歩いてきた方へと走って消えてしまった。




ようやくヒルズを抜けたら工事中の明るい光が。やっとこさ六本木に到着。さー遊ぶぜー、てことでいざ目的地へ。さすが六本木は平日の深夜でも人がけっこう多かった。まーバージョンアップ直後だしな。それにしても孫呉デッキは適度に強くて適度にクセがあって使ってて面白いわ。いや、六本木ヴォルテックスでずっと三国志大戦2やってたんですけどね。




そんでもって、3時半くらいまで夜ゲーをたっぷり堪能して、次の順番待ちの後だと4時を回って全国対戦終了しそうだからさて、タクシーで帰るか、それとも始発まで時間を潰そうかなと思ったんだが、ふと思い立って、どうせだったら歩いて帰ってみようかとひたすら歩くことに決定。とりあえず新宿に近づきそうな方へてこてこと歩き出す。出発したのがAM3:45くらい。


歩き始めてものの5分もしないうちに乃木坂駅に着く。乃木坂ってこんなに近かったんだ!?とちょっと驚き。写真は乃木坂駅の地下鉄入り口だけど、俺のしょぼい携帯じゃまともに撮れず、苦戦してたら近くを歩いていたカップルに怪訝な目で見られる。で、結局こんなぼんやりとした写真に。




で、近くにあった地図を見たらどうも青山一丁目が近いようなのでそっちに向かう。青山一丁目もやはり以前に働いていたことがある場所で、ちょくちょく帰りに信濃町まで歩いていたことがあったので、青山一丁目まで出てしまえば迷う心配はない。乃木坂トンネルを横目に、確かここって都内有数の心霊スポットだよなとか思いつつ、さっきの怪訝な目で見てきたカップルを追いつき追い抜き、10分足らずで青山一丁目に到着。写真は駅ビル広場。よくここの下でお昼を食って、その後にこの広場で一服したもんだ。


そしてそのまま信濃町方面へ。明治記念館の看板を思わず撮影。このすぐ横に交番があって警官がずっと立っていたので、不審者だと思われて職務質問されてそのまま交番連れて行かれて6時間拘束された挙げ句に「お前の存在自体が軽犯罪法違反だ!」とか言われたらどうしようとか軽く妄想してみたが、幸い実現はしなかった。それにしてもこの写真ぼんやりとしてて怖いね。




ほいでもってAM4:10くらいに信濃町駅到着。季節柄、だいぶ明るくなってきたがまだまだ夜明け前。ここから先はしばらく違う意味で怖い道が続くという緊張感を覚えつつ、さらに、少し足の裏が痛くなってきたりもしたが、まだまだ歩く。その前に駅前の歩道橋から神宮の森を1枚と、その先から慶応病院と代々木のビルを一緒に収めた写真を1枚。




そしてある意味とっても怖い道に突入。街灯に「ようこそ信濃町へ」とか書かれた旗があるんだけど、その旗よく見ると、シンボリックな三色のリボンみたいな絵がデザインされているんだからほんと怖いわ。その辺のお店のガラス窓の中を覗いたら「唱題の声はお静かに」とか書いてあってもまったく不思議じゃない。まあ、別に基本的には悪の集団ってわけじゃないし、ただ価値体系とか秩序体系が俺とちょっと違うだけだし、でも、俺はずいぶん昔、バイト先で怒られて精神的に弱っていたときに同僚に曖昧な感じにその地元に連れて行かれた挙げ句に半ば軟禁と言った状況に持って行かれて入会をにこやかに無理強いされたこともあったりするので、基本的にあの組織は嫌いなんだが、やはり今思うと彼らのことも憎むことはできないんだよな。あれは彼らにとっては"善"であって、心からいいことだと思って行われたことだから。だから憎めないが、しかしそれはより怖いことでもあり。まあこういう物騒な話はおいといて、写真は途中で見かけた文学座の看板。そして信濃町から10分ほどで四谷三丁目に脱出。




ここまで来たらもう新宿は目と鼻の先。左折してちょっと進むと新宿御苑手前のトンネル入り口に。ちなみに写真には写ってないけどこの交差点にサンミュージックのビルがあった。サンミュージックのビルと言えば…思わず地面を見たが、怖くなったのでサンミュージックの前は通らずに外苑東通りに入って靖国通りへ行った。


歩いて1分くらいしたところで、これ、絶対遠回りだなと後悔しつつ富久町に出たところで市ヶ谷方面を向いてまた1枚。この建物は何?ちなみに時刻はAM4:29。




んで、まっすぐ新宿へ。いいかげん汗だくになってきたので薄手のアウターも脱いでTシャツ1枚に。足もだいぶ痛くなってきた。たまにゲップが出るとなぜか喉に酸性の刺激が。歩くペースを軽く落としつつ、新宿までにするか家まで歩くか悩み始めるが、新宿5丁目に来るともう目の前には見慣れたEPSONの大きな看板が。思わず横断歩道の真ん中で、手がぶれないように慎重に撮影。AM4:36。


そしてそのまま進んで、相変わらずうっさいドンキのところで歌舞伎町に入り、とりあえずゴールということでコマ劇前広場に到着。出発からほぼ1時間のAM4:44。おつかれさま、俺。





で、ちょっとふらふらでこってり分を補給したくなったので、コンビニでモーニングを買って天下一品に入って、マンガ読みながらのんびりとラーメンを喰らう。今週もGIANT KILLING面白かったなー。


30分くらい休んで、せっかくだから家まで歩くことにする。どうせ残り二駅半。ただ、もう疲れてたので写真は撮らない。ラブホ街を抜けて大久保に出て、そして線路の左手沿いに東中野へ。大久保-東中野間は昔よくチャリで通っていたけど、いつも淀橋市場側の道を進んでいたので、せっかくだから通ったことのない道をと。


そして6時に東中野到着。山手通りは高速道路かなんかを作ってるらしくずっと工事中なんだが、やたらと高い柱ばかりがニョキニョキとそびえてる姿はちょっと不気味っつーか、未来都市でも造ろうとしてんのかって気になる。




で、あとはそのまま家に。さすがに足の裏がかなり痛くなったが、楽しかった。昔から、仕事帰りにふらりと長歩きすることはあったんだが、さすがに六本木からってのは初めてだったので気持ちよかった。そういえば歩いている途中に何度も思ったんだけど、電車やタクシーを使えばすぐに帰れるところをわざわざ貴重な時間を割いて歩いて帰るってのはある意味とても贅沢なことだなー。時間に追われることが多いだけに、つくづく感じた。いい休暇だった。いや、今から寝るんだけどね。