過疎ゲーの悲哀

http://gmk.9bit.org/note/20060403-segagt2002.htmを読んで、ふとPS2の『機動戦士ガンダムvsZガンダム』を起動してみた。MMBB(マルチマッチングブロードバンド)対応のオンライン対戦ができるゲームだが、発売はすでにはるか昔、ゲーセンでも実質的な続編のガンダムSEEDが稼働してかなりたった今では、当然のように過疎状態だった。夜22時台という比較的混みそうな時間帯にもかかわらず、対戦中の人数が60人前後、待ち人数が15人前後という二桁動員。これが同じくMMBB対応の『モンスターハンター2』だったらさぞや大勢賑わっているのだろうなと思いつつ、対戦待ちのスタンバイ。幸いにして人数の割には回転がいいようで、ほどなく4人埋まり、対戦が始まった。


が、相手の一人の対戦成績が19戦1勝1敗という不穏な成績。対戦数と勝敗の合計が釣り合っていない、それは、回線切断により無効になることが多いことを意味する。案の定、プレイ開始と同時に回線切断し、無効にはならなかったもののそのプレイヤーの機体は弱いCPUに切り替わり、虚しく消化試合が終了した。


再びロビーに戻って対戦スタンバイ。今度は相方に1勝10敗というプレイヤー。こんな時期になってもまだ初心者がいたというのはある意味驚きだが、可哀想なことに一方的に追い立てられてボコボコにされた。俺が。相方はひたすら当たらないビームサーベルを振り回して放置されていた。2on2という形式ならではの敷居の高さが産んだ現代の悲劇と言ったところだろうか。のちにこの初心者プレイヤーと敵対する形で再戦したが、敵の相方はやってられないとばかりに途中で回戦を切断していた。嗚呼。


そんな感じで陰鬱にプレイすること数戦、珍しくまともな対戦が成立。そして、負け。すると相方速攻終了。これを通称"1止め"と呼ぶ。相方自動選抜の対戦は10戦まで継続してプレイすることができるのだが、「こんな奴とやってらんねーよ」とばかりに初戦終了直後に速攻で対戦終了を選ぶことを指す。このとき、できるだけ迅速に終了を選ぶほど、嫌な感じが相手に伝わり、対戦相手を含めて殺伐とした気分になることができる。ちなみにこのプレイヤーは45戦30勝15敗くらいだった。一日で戦績リセットされるにもかかわらずこの過疎地でそれだけの戦績を積み重ねるのは奇跡にも等しい。空恐ろしい話だ。


そしてその直後、そのプレイヤーと敵対する形で再戦。他のプレイヤーの戦績もそこそこよく、伝統のガブギャプ(ガブスレイ&ギャプランのペア。このゲームでは一番オーソドックスな組み合わせ)対決で、期待通りの好ゲームが展開された。接戦の末、何とかこちらが勝利し、相方から勝利を祝う「またよろしく!」の通信が飛んできた。こちらもすぐに通信を送り返す。癒される一瞬。だがしかし、好ゲームにもかかわらず、相方の戦績も悪くなかったにもかかわらず、敵の45戦の男は迷うことなく1止めを選択した。これで確信した。彼はいわゆる勝率厨のなれの果てであったと。


ここで心が折れてゲームを終了した。昔なら対戦後にチャットルームで「おつ」「またよろ」程度の会話がなされることも珍しくなかったが、今ではそれすらない。ただ黙々と、殺伐とした戦いを続け、一日で消えてしまうだけの戦績を積み重ねる。もう何というか、刻の涙を見るどころじゃないというか…さっさと解約せずに未だに月900円払い続けている俺もどうかしているんだが。