エクストリーム系

おれはおまえのパパじゃない - ユリイカを読んだ
http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20050810/1123655177 より

岡田斗司夫さんによって語られなかった(語れなかった)”格闘ゲームの熱いシーン”というのが確かにあって、あそこらへんでちょっと毛色の違うオタクというものが分派したように思う。

そんでこのタイプのオタクに共通するものは何かと考えると、それはおおざっぱに言ってスピードではないかと。瞬間的判断能力、正確な操作のための運動能力を持っていて、「ゲーム、好き、ぐへへ」といった愚鈍なイメージとはかけ離れた、アスリートに近いイメージ。軍人に近いイメージ。もしかしたら戦闘機のパイロットとかになってたら撃墜王とかになってたんちゃう? みたいな感じ。そんでそういう身体能力もありつつ、やっぱりオタクっぽくゲーム情報の収集、攻略法の開発には怠りないみたいな感じ。

は勝手にこのタイプのオタクをエクストリーム系と呼んでいて、これは単にゲーオタの内ゲバに過ぎませんけど、身体能力を必要としないエロゲヲタとはまったく相容れないものだと思っている。

でもこれって、90年代的ではないと思う。もっと前時代的です。オタクの本道からドロップアウトしてしまった前時代人なのだと思う。よくわかんないけども。

テラヤマアニさんのこれらの発言に脊髄反射で反応。仕事中で資料作成終わってないけどそんなの明日でいいよという勢いで反応。


90年代の格闘ゲームシーンの前段階として、まず80年代のアーケードゲーム界ではテラヤマアニさんの言うエクストリーム系に近い雰囲気の(まさしく渋谷洋一を代表とするような)スコアラー(渋谷洋一で言えばハイローラー)と、ナムコなどの美少女キャラをこよなく愛し、かつSF的なガジェットに胸をときめかせるおたくが同居していたという印象があります。でも別に対立しているわけではない感じ。あと、イメージとしては子供が一人で行っちゃいけない、不良の溜まり場。カツアゲ危険。あくまでイメージであって、実際にカツアゲにあったことはこの頃にはありません。90年代に入ってからならあります。渋谷から流れてきたチーマー3人組にやられそうになりました。でもなけなしの100円を使い終わった直後だったので助かりました。定期も一ヶ月切っていたので何一つ払うものがありませんでした。どこまで貧乏なんだ。チーマーも呆れ顔で手に持った鉄パイプのやり場なしですよ。ええとそれはどうでもいいや。

んで、それが変質したのは、一つ目に不良の溜まり場のイメージから脱却しようとしたゲーセンのイメージアップ作戦、二つ目に宮崎勤事件でおたくが奇異の存在で強く見られるようになったこと、三つ目は先の二つとも関係しますが、テトリスファイナルファイトのようなヒット作が生まれたことが大きかったんじゃないかと思います。

これらの相乗効果によってアーケードの客層の幅が大きく広がり、それまでの(美少女・SF的な)おたく文化の流れは引き継がずに、一方でスコアラー、ハイローラー的な闘争心はしっかりと持ったプレイヤーの下地が出来ていたところにスト2がドーンと来て対戦格闘ブームが生まれたんじゃないかなと。

だから、前時代的というよりは、80年代のアーケードゲーマーからおたく要素を引いて、よりアスリート的な純度が高まった価値観だったんじゃないかなと思います。もちろんおたく文化寄りの人も以前より日陰になったとは言え健在で、その辺の意識対立は美少女キャラが前面にフィーチャーされたゲームに対する評価のときにより顕著になっていた感があります。

ちなみに僕はもう思いっきりアンチ美少女キャラゲーでした。美少女キャラというか、キャラクターを前面に出してそれで客を引きつけようとするのが目立って、肝心のゲームはクソじゃねえの?と思えるようなゲームと、それに食いつく連中が大嫌いでした。サイキックフォースみたいなクソゲーやってるこのクソども氏ねみたいな感じでした。

今はそんなことありませんよ。どんなゲームであろうと、どんな動機付けであろうと、ゲームにお金落としてくれる人がいるだけでもありがたいと思わなきゃ、という心境です。絶滅危惧種ですから、アーケード。ゲーム性?それ、食べれるの?究極のゲームバランス?ああ、知ってる知ってる、ジャンケンやるといいよ。

ええとええと、なんだか書いていてよくわからなくなって来てしまったんで、オチはみなさんの心の中でお願いします。自由度が高いってことで。