国友やすゆきはすげえよ

ここ数年、国友やすゆきのマンガが面白くて仕方ない。モーニングで去年まで連載していた「カネが泣いている」では消費者金融の支店を舞台に、中盤までは予定調和のつまらない話だったのが、優柔不断な主人公が部下に「君、この仕事向いてないよ」と予定調和を突き破るまさかのクビ宣告したあたりから一気に面白くなり、最後は主人公の上司が刺し殺されたりというはっちゃけた打ち切りストーリーを堪能させてくれた。


そして今面白いのは、スペリオールで連載中の「社買い人岬悟」。このタイトルだけでたまらない味わい。社買い人ですよ、社買い人。今度の舞台は外資に買収された大手商社。企業買収部門に異動となり、上司はかつての女性部下。ドライになりきれずにいつも顔に斜線の入った物憂げで優柔不断な主人公が結果オーライ的になんとか失脚せずに任務を果たしていく…という本筋はまあ予定調和だからどうでもよくて、それよりも見どころは国友節とも言うべきお約束女性関係の展開。


買収予定のホテルの調査に女上司と来たと思ったら、実は彼女は元恋人。そして夜になると言い寄ってくる。もはや性欲の衰えた弘兼憲史が見たら「国友くん、まだまだ元気だなあ…」とその若さをうらやみそうなベタすぎる展開に、こみ上げる笑いを抑えることは難しいはずだ。


今号の展開も熱かった。買収予定の旧友の会社を任務に逆らって救ってしまい、クビの危機に立たされた主人公の元に旧友の奥さんから電話が。会ってみるとなんと、買収できる情報を伝えようとしてくれる。そのわけは夫との不仲からの寂しさ。そして彼女が言う。


「お願い……きょうだけでいいから…私を…なぐさめて……」


次のページめくったらおっぱじめてました。電車の中だってのに笑いをこらえるのに必死でまいった。国友やすゆきはすげえよ。